土木の語源は2000年前にある

「土木」という言葉は、漢字の画数にすれば、合わせてもたった7画の熟語です。しかし、その語源をたどると、壮大な歴史的なスケールの伴う言葉であることに気づきます。

 語源は、中国の古典「淮南子(えなんじ)」が出典とされ、「築土(ちくど)構木(こうぼく)」という四字熟語を起源とする言葉であるとされています。今から2000年以上前の書物から生まれた言葉ということに驚かされます。

人々の安心安全のために

 土木は、「電気や機械のように、対象となるモノや物理現象の名前ではなく、土地を盛り、木を組むという、人々の安全・安心のための行為の名称」(京都大学 藤井教授の文章より)であるとされ、他の学科と違う特長があると言えます。

 実は富山県は、「土木」に深い関係があります。立山カルデラの砂防は、まさに本県が富山県として石川県から分離独立するきっかけとなったものであり、富山県の歴史は砂防事業の歴史であると言っても過言ではないのです。ちなみに砂防は、英語でも「SABO」と言い、世界共通の語となっているそうです。

 本校は、立山を源流とする黒部川の左岸に位置する学校です。黒部川の電源開発を扱った映画「黒部の太陽」、吉村昭の小説「高熱隧道」にゆかりのある土地とも言えます。また、土木は安心安全のための「行為」であるという点も、本校の伝統的精神である「行学一如」行うことは学ぶことであり、学んだことは行動として生かされていくという、「行為」を重んずる精神にも通じる営みであると考えます。

本校土木科の概要

 土木科では、高校生としての必要な教養を身に付けさせるとともに、土木に関する専門的な知識と技術を修得して、将来中堅技術者として、監督業務に当たる人材を養成することを目的としています。

 このため、理数科目と土木の基礎科目の学習に重点を置いています。また、進学希望者には数学が選択できるようにして、さらに多く学べるようにしています。

 現在は、在学中にほとんどの生徒が測量士補・2級土木施工管理士試験(学科)に合格しています。

 進路については、卒業生の3割程度が土木関係の大学・短大・専門学校に進学し、いっそう高度な技術を身に付けています。また、その他の生徒は、技術を生かし、国家公務員・地方公務員・土木関係の民間会社で活躍しています。